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黒糖と血糖値の関係は?糖尿病の人でも食べて大丈夫?

結論
・黒糖は白砂糖と同じくスクロース(ショ糖)を主成分とするため、血糖値を上げる作用がある。しかし、加工度が低くミネラル・ポリフェノール含有率が高いため、白砂糖よりやや血糖値上昇が緩やかになる可能性がある。 (沖縄県工業技術センター研究報告書 より)
・糖尿病の人でも、摂取量・タイミング・他の栄養素との組み合わせを工夫すれば、完全に「食べてはいけない甘味料」ではない。ただし「甘いもの/砂糖類」として扱い、制限を設けることが必要。
・黒糖を取り入れる際は、「少量」「食後」「他の血糖上げにくい食材と一緒に」「できれば低GI値を意識する」などの工夫をすると安全性が高まる。

このような人に読んでほしい記事です:
・糖尿病診断済み、または血糖値が気になる人で、甘味を完全に断つのではなく代用や調整を考えている方
・黒糖を健康・美容目的で使いたいけど、血糖管理との折り合いをつけたい方
・家族に糖尿病患者がいて、甘味料選びで悩んでいる方

黒糖と血糖値に関するポイント

・黒糖は白砂糖とほぼ同じくスクロースを含み、糖質量は高め → 血糖値上昇のポテンシャルあり
・加えて、黒糖にはポリフェノール・「黒色物質」などが含まれており、糖類分解酵素を阻害する作用があるという研究あり (in vitro/動物実験)
・血糖値の上昇速度(GI値)について、白砂糖よりやや緩やかという意見や実験データが限定的にあるが、はっきり「低GI」と言えるほどのデータはまだ十分ではない
・糖尿病患者にとっては、「一度にたくさん」「空腹時」「他に甘いものと重なる」使用がリスクになる
・血糖コントロールを良好に保ちたい場合、黒糖を使うなら少量にする/他の炭水化物を調整する/血糖値モニタリングを行うことが望ましい
・医師・管理栄養士との相談が不可欠

スクロース含有と血糖上昇の基本

黒糖は、主成分としてスクロース(ショ糖)が含まれています。スクロースはグルコース+フルクトースに分解され、グルコース部分が直接血糖値を上げます。したがって、甘味料として糖尿病患者や血糖値を気にする人が使用する際は、「糖質=血糖値を上げるもの」として認識しておくことが重要です。白砂糖と較べて甘味・風味・ミネラルが異なっていても、この基本的な仕組みは変わりません。

黒糖に含まれる成分で血糖上昇を抑える可能性

沖縄の黒糖を使った研究で、「黒色物質」(ポリフェノール様の成分)がデンプン・グルコースの分解酵素を阻害する作用が確認されています。具体的には、in vitro(試験管内)での実験で、澱粉やグルコースの分解酵素活性を抑える作用が認められ、糖吸収を多少遅らせる可能性が示唆されました。
ただし、このような効果がヒトでどの程度血糖値に影響するか、どのくらいの量で・どのタイミングで作用するかについては、まだ確立した臨床データが十分とは言えません。

GI値(血糖値の上昇速度)の観点

・黒糖の GI 値が具体的にどれくらいか、学術的に広く認められた数値は未だ明確ではなく、研究や計測条件によって変動します。
・一部のレポートや「実験してみた」という個人・民間の記録では、「白砂糖よりも血糖値の上昇が緩やかだった」「反応のピークが少し遅かった」というものがあります。
・しかしながら、糖尿病管理では GI 値よりも「糖質量」「食事構成全体」「タイミング」のほうが実践上はより影響が大きいため、GI の数値だけに頼るのは危険です。

糖尿病の人が黒糖を「使えるかどうか」

・基本的には「使える」、ただし 非常に制限された量で、頻度少なめに。たとえば、甘味付けにほんの少し、デザートや飲み物の甘さを調整する程度。
・血糖値が高めの空腹時には避ける/食後や炭水化物・食物繊維が含まれる食事と組み合わせて摂るとよい。
・摂取後の血糖値を実測する(血糖モニター等を利用)ことや、HbA1c・脂質・体重等の指標を見ながら調整することが望ましい。

具体的な使い方・量・タイミングの工夫例

少量使い:小さじ1杯以内、あるいは黒糖を使う部分を他の甘味料と混ぜて使う。
調理時に後入れする:調理の最後に加えることで加熱破壊を抑え、血糖上昇を少し緩やかにできる可能性あり。
他の成分との組み合わせ:たんぱく質・脂質・食物繊維を併せて摂ることで血糖の上昇を緩やかにする。例えば、黒糖を使った飲み物+牛乳・ナッツ・豆類など。
食前散歩や軽い運動をする:食後血糖値のピークを抑制する助けになる。

まとめ

・黒糖は白砂糖と比べて未精製成分(ミネラル・ポリフェノール等)を含む分、血糖値の上昇をわずかに緩やかにする可能性があり、その点がメリット。ただし、甘味料であるという本質は変わらず、血糖を上げる作用がある。
・糖尿病の人でも、完全に排除する必要はないが、「使い方・量・頻度」を非常に慎重にすることが必要。医師・管理栄養士と相談し、個人の血糖値反応をモニタリングしながら取り入れるとよい。
・甘さを感じる最小限の量を使う、他の糖質源を調整する、食後や他の食材との組み合わせを工夫するなどの方法が実践的。

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